「着物の帯の買取相場っていくらぐらいなの?」「高く買取してもらえる帯の特徴ってある?」このような疑問をお持ちではないでしょうか。
着物の帯は、使用されている生地や産地によっては着物よりも高額で取引されることもあります。
ここでは、着物の帯の買取相場から買取対象となる帯の種類・高価買取してもらえる帯の特徴について詳しくご紹介していきます。
この記事を読むことで、着物の帯の買取相場や高価買取の特徴が分かりますのでぜひ参考にしてみてください。
買取対象になる主な帯は6種類
着物の帯で買取の対象になる帯の種類は全部で6種類あります。
- 丸帯(まるおび)
- 袋帯(ふくろおび)
- 名古屋帯(なごやおび)
- 半幅帯(はんはばおび)
- 細帯(ほそおび)
- 兵児帯(へこおび)
それぞれ特徴や格式の違いがありますので、ひとつずつ見ていきましょう。
丸帯(まるおび)
丸帯は、帯の中でも最も格式高く「礼装用(フォーマル)」に使用される帯となります。
丸帯は帯全体に柄があり、豪華で重厚感のある作りとなっていることから、かなりの高額で取引されてきました。
ただ、昭和初期ごろに「袋帯」が考案されてからは、礼装用に使用される帯も「袋帯」が主流となっており、今では婚礼衣装や舞妓さんの衣装で使用される程度で需要は低くなってきています。
袋帯(ふくろおび)
袋帯は、表地と裏地を別々に縫い合わせてできており、袋状に織られていることから「袋帯」と言われるようになりました。
帯の中でも、丸帯の次に格が高い帯と位置付けされており、一般的に格式のある式典やお祝いの席で使用されることが多いです。
最近では、丸帯ではなく袋帯の方がフォーマルな場面で使用されることが多く、帯の中で最も高額で取引されています。
名古屋帯(なごやおび)
名古屋帯は、名古屋で考案された帯で、結び方が難しい「袋帯」をより簡単に結べるように作られた帯のことをいいます。
フォーマルな場面で使用されることの多い「袋帯」とは対照的に、「名古屋帯」はカジュアルでおしゃれな着物に合わせるのが一般的です。
名古屋帯は袋帯より格式は低く、さまざまな生地や技法を用いて作られているため帯の種類も多く、カジュアルからセミフォーマルな場面まで幅広いシーンで使用できる使い勝手の良い帯になります。
半幅帯(はんはばおび)
半幅帯(はんはばおび)は袋帯や名古屋帯に似ていますが、帯幅が並幅(30センチ)の半分のサイズ(15センチ)であることからその名が名付けられています。
着物の帯の中でも、とくにカジュアルな場面で使用されることが多く、価格も比較的安価に設定されています。
紬(つむぎ)や小紋(こもん)・浴衣のような普段着で着れるような着物に使用され、よりカジュアル感を演出したい時に重宝されるのが「半幅帯」です。
細帯(ほそおび)
細帯は、半幅帯(15センチ)よりもさらに細い、11〜13センチの幅しかない帯のことを総称していいます。
半幅帯と同じくカジュアルな着物で使用されることが多いため、価格は袋帯や名古屋帯と比べてどうしても安価になります。
また、最近の傾向で細帯を利用する人が減ってきており、それに伴って買取価格も下がっています。
兵児帯(へこおび)
兵児帯(へこおび)は、元々は「子供の浴衣」や「男性の室内用の着物」に使用されていたもので、やわらかい生地でできた帯のことをいいます。
最近では、大人の女性がファッションとして使用する機会も増えてきており、帯の一種として認知されつつあります。
ただ、普段着として利用されてきた「兵児帯」ですので、生地は高級なものではなく買取では高額査定を望むのは難しいでしょう。
買取り対象にならない帯の特徴
保存状態が良くても、買取対象にならない(難しい)帯というものもあります。
【買取対象になりにくい帯】
- 化学繊維やウール素材の帯
- 黒喪帯(くろもおび)
ポリエステルのような化学繊維やウール素材の帯は、需要も低く新品でも低価格で取引されていることから、査定でも値段が付きにくく買取は難しくなります。
極端に着用するシーンが限られているため市場でも需要は低く、若い世代を中心に着る人が減っているのも原因のひとつとなっています。
喪服でのみ使用される黒喪帯は、使用頻度も少なくサイズも個人に合わせて作られているケースが多いため、買取対象になりにくい帯です。
ノーブランドの帯の買取相場
人気メーカーや産地・有名作家が作った帯ではなく、ノーブランドの帯の買取相場を表にまとめました。
帯の種類 | 買取相場 |
丸帯(まるおび) | 〜50,000円 |
袋帯(ふくろおび) | 〜200,000円 |
名古屋帯(なごやおび) | 〜120,000円 |
半幅帯(はんはばおび) | 〜20,000円 |
角帯(かくおび) | 〜40,000円 |
丸帯や袋帯のように、よりフォーマルな場面で使用される「格式の高い帯」ほど買取相場は高くなり、カジュアルな着物に使用される帯は値段が下がります。
もちろん「保管状態」も反映されますが、ノーブランドであっても帯の種類や生地が相場を決めるうえで大切なポイントになります。
作家物や有名メーカーの帯の買取相場
作家や有名メーカーの帯は、定価も高くノーブランドの帯よりも買取相場は格段に上がります。
作家名 | 買取相場 |
玉那覇有公 | 70,000円前後 |
森口華弘 | 150,000円前後 |
北出与三郎 | 15,000円前後 |
与那嶺貞 | 70,000円前後 |
古賀フミ | 100,000円前後 |
メーカー名 | 買取相場 |
西陣いづくら | 12,000円前後 |
白綾苑大庭 | 25,000円前後 |
渡文 | 20,000円前後 |
加納幸 | 20,000円前後 |
鈴木織物 | 30,000円前後 |
有名作家の作品は希少性があり、とくに「人間国宝」に認定されているような作家の作品は、希少価値も高く値段も跳ね上がります。
また、有名メーカーや老舗の織元から販売されているものも、高額査定が期待できます。
着物の帯を実際に買取に出した方の口コミ評判
着物の帯を実際に売った経験のある方の口コミ評判をTwitterから抜粋しています。
実際に売却した方のリアルな口コミですので、ぜひ参考にしてみてください。
買取が難しい帯が買取可能になる条件
買取が難しい帯であっても、きれいな状態で保管している帯であれば買取してもらえる可能性があります。
また、買取が難しい帯の代表格として「黒喪帯(くろもおび)」がありますが、買取業者によっては買取してくれるところもありますので、公式サイトをチェックしてみてください。
最悪どこも買取してくれない場合は、フリマアプリ(メルカリなど)やオークションサイトを使って売ってみましょう。
高価買取されやすい帯の特徴
着物の帯には、複数の種類があり買取される金額が異なりますが、高額で買取されやすい帯にも特徴があります。
- 有名産地の帯
- 人気メーカーの帯
- 人間国宝や人気作家の帯
- 保存状態が良い
- 生地・柄の織り方
- 素材が正絹でできている
- 金糸や銀糸が多く使われている
ここでは、高額で買取されやすい帯の特徴について詳しく解説していきます。
有名産地の帯
着物には、大島紬の発祥地として有名な鹿児島県・奄美大島、茨城県の結城紬のように、有名産地で織られた着物は高額で取引されています。
帯に関しても例外ではなく、有名産地で織られた帯は高額で買取されやすい傾向にあります。
とくに「帯の三大産地」として有名な「京都の西陣織・福岡の博多織・群馬の桐生織」に関しては、流行りに関係なく高額で取引されます。
人気メーカーの帯
人気メーカーは需要が高く市場に出てもすぐに完売してしまうため、高額で取引されています。
【人気メーカー一覧】
- 山口美術織物
- 加納幸
- 高島織物
- 洛陽
- 鈴木織物
- 河合美術織物
上記はほんの一例で、他にも有名人が着用したモデルも人気が高く、需要に応じて査定額も変動します。
人間国宝や人気作家の帯
人間国宝や人気作家が創作した帯は希少性が高く、他の帯と比較しても別格でかなりの高額で取引されています。
例えば、有職唐織の「喜多川平朗」や京友禅に加賀友禅を融合させた「羽田登喜男」が創作した帯は、オークションサイトでも数十万以上の値が付いています。
作品が本人のものであるかを証明するには、作者の署名・捺印がされた「落款」が必要となるため、買取に出す際は必ず「落款」も一緒に持っていくようにしましょう。
保存状態が良い
いくら高額で取引される帯であっても、保存状態が悪ければ買取額はかなり下がってしまいます。
1枚ずつ和装用の「たとう紙」に包んでタンスに収納したり、カビを防ぎ湿気を取り除くために「虫干し」をしたりと、正しい方法で保管しておくことをおすすめします。
生地・柄の織り方
帯の織り方は数種類にもおよび、織り方によって産地を見分けたり価値が違ったりします。
帯の織り方でとくに有名なのが「西陣織」で、西陣織の中でも綴(つづれ)・糸錦(いとにしき)というように、織り方の名称が変わります。
産地によっても、織り方や柄の付け方が全然違いますので、売りに出したい帯は「何織り」のものなのか事前に把握しておくようにしましょう。
素材が正絹でできている
帯にも着物と同様に「格」があり、正絹は最も格が高い生地で、次に麻・木綿・ウールという順番となります。
とくに「正絹」が使われている帯は価値が高く、市場でも高値で取引されます。
ただ、正絹は肌にやさしく保湿性や吸引性にも優れているため、さまざまな帯の種類にも使われています。
素材に正絹が使われているから高価というわけでなく、帯の種類によっても市場価値が変わってくることを覚えておくとよいでしょう。
金糸・銀糸が多く使われている帯
金糸・銀糸が多く使われている帯は、重厚感があり格式の高い帯に利用されるケースが多いため、値段も高額になります。
金色・銀色を使用した装飾物は、帯に限らず上位のものと位置付けされており、高級なものとして認識されています。帯に関しては、とくに格式高い「袋帯」に使われます。
高価買取してもらうためのポイント
帯を高価買取してもらうために大切なポイントについてまとめていきます。
- 証紙とセットにして出す
- 売ると決めたら早く売る
- 自分でシミ抜きなどをしない
- 着物とセットで出す
- 着物買取の専門業者に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
証紙とセットにして出す
帯と「証紙」を一緒に出すことで高価買取してもらえる可能性が上がります。
「証紙」とは、着物(帯)の価値と品質を証明するもので、産地ごとに定められた厳しい審査基準をクリアしたものだけに与えられる証明書です。
もちろん帯だけでも買取してくれますが、証紙があることで着物(帯)の価値が証明されますので高価買取につながります。
売ると決めたら早く売る
使用していなくてタンスに眠っている帯があれば、早めに売ってしまうことをおすすめします。
着物と同様に帯も保管方法は難しく、間違った方法で保管しているとカビや黄ばみができてしまい、状態が悪くなってしまう可能性があります。
もちろん買取してくれる業者もありますが、せっかくの良品であっても状態が悪ければグッと買取額は下がってしまいますので、保管しているだけであればすぐに売ってしまいましょう。
自分でシミ抜きなどをしない
シミや黄ばみなどの汚れができてしまっても自分で染み抜きや補修はせずに、着物専門のクリーニングに出すことをおすすめします。
専門知識がないまま染み抜きや補修をしてしまうと、逆に生地を傷めてしまう可能性もあります。
ただ、クリーニングに出すのは「自己負担」となるため、せっかく買取に出して現金を得ようとしているのに自分の財布からお金が出ていってしまっては本末転倒です。
もちろんクリーニングに出した方が高額買取してくれますが、汚れがあるまま買取に出した方が結果的に「多く手元に残った」という可能性もあります。
その点も考慮したうえで、クリーニングに「出す・出さない」の判断をしましょう。
着物とセットで出す
帯単体で買取に出すよりも、着物とセットで出す方が高く買取してくれます。
特にセット売りで購入した帯に関しては、着物とセットでなければ最悪の場合買取してくれないこともあります。
買取業者も買取した着物はオークションや自社サイトで販売するため、着物と帯がセットの方が売りやすく買取額もその分だけ高額になります。
着物買取の専門業者に依頼する
帯を売る先は、複数ありますが高価買取を希望するのであれば、着物を専門に扱う「着物専門業者」に査定を依頼してみましょう。
リサイクルショップや質屋でも帯を売ることは可能ですが、着物(帯)の知識がある査定員が常駐していないことも多く、買い叩かれる可能性が高いです。
一方、着物専門業者であれば毎日着物だけを査定しているため、知識も豊富で相場をきちんと把握しているので高価買取も期待できます。
おすすめの買取業者
1. ウリエル
公式サイト | ウリエル |
買取対応エリア | 東京、横浜、千葉、埼玉、栃木、名古屋、静岡 |
電話番号 | 0120-980-513 |
受付時間 | 8:30~17:30(土日祝除く) |
ウリエルは、買取実績300万点を誇る買取業者です。経験豊富なスタッフが多く在籍しており、親切丁寧な接客に定評があります。
ウリエルは予約が不要なので、気軽に利用することができます。さらに個別対応でプライバシー保護は万全であり、その場で現金化ができる点は大きなメリットとなります。
また、ウリエルは業界最高水準の買取価格を誇る大手の買取専門店です。査定結果に納得いかない場合はキャンセルもできますので安心して利用できます。
2. バイセル
公式サイト | バイセル |
買取対応エリア | 店舗:東京、埼玉、横浜、仙台、名古屋、大阪 センター:東東京、西東京、埼玉、横浜、名古屋、大阪、福岡 |
電話番号 | 0120-402-133 |
受付時間 | 24時間365日 |
バイセルは、上場企業の(株)BuySell Technologiesが運営している買取専門店です。店舗での買取は予約不要であるものの、センターへの持ち込みは「完全予約制」となっているため注意して予約してください。
バイセルでは査定料や買取料など、買取に関わる手数料が一切発生しません。査定も個室で個別対応でしてくれるため、プライバシー保護に重点を置いている点も安心できます。
さらに、店舗は全て駅近にあるため、重たい着物(帯)を持ち運びする手間も省けます。問い合わせはフリーダイヤルで365日対応しているので、気になっている方は電話してみましょう。
3. 福ちゃん
公式サイト | 福ちゃん |
買取対応エリア | 東京、埼玉、神奈川、千葉、静岡、仙台、大阪、名古屋、岡山、福岡 |
電話番号 | 0120-947-295 |
受付時間 | 9:00〜20:00(年末年始除く) |
福ちゃんは、着物・切手・骨董品・食器などを中心に買取を行なっている業者です。東京・大阪には複数の店舗を構えています。
着物の専門知識が豊富な一流のスタッフが査定を行うため、適正価格で買取を行うことができます。手数料は一切かからずクーリング・オフにも対応しているので、安心で利用しやすいです。
福ちゃんは、丁寧な接客や値段交渉が可能である点が高く評価されており、フリーダイヤルで専門のオペレーターに相談することもできます。
帯の3つの売却先とそれぞれのメリット・デメリット
帯を売れる場所はいくつかありますが、その中でもとくに利用される3つの売却先についてのメリット・デメリットをお伝えしていきます。
【帯の3つの売却先】
- フリマサイト・ネットオークション
- リサイクルショップ
- 着物買取専門店
フリマサイト・ネットオークション
フリマサイトやネットオークションでは、他の売却先と違って自分で販売価格を選ぶことができる点はメリットといえます。
そのため、買取相場より高く売れることもありますが、買い手が付かずに売れないという最悪のケースもあります。
きちんと相場を把握しておかなければ、安売りするリスクもあるため、フリマサイトやネットオークションに出す際は事前に相場チェックをしておきましょう。
リサイクルショップ
リサイクルショップのデメリットは、他の売却先に比べて買取価格が低くなる可能性が高くなります。
リサイクルショップの査定方法は、1点1点査定するのではなく1キロいくらという「重量査定」を採用しています。
そのため、価値のある帯であっても一緒に査定されてしまうため本来の価値が査定に反映されません。
もちろんリサイクルショップによっては、着物の専門知識を持った査定員が査定してくれる場合もありますので、きちんと見極めたうえで売却先を選ぶとよいでしょう。
着物買取専門店
着物買取専門店は、着物(帯)の知識が豊富な査定員が1点1点細かくチェックするため、相場に即した正確な査定をしてくれるのが魅力です。
帯の種類や産地・メーカーについてもきちんと把握しているため、価値あるものであれば相当の額で買取してくれます。
さらに、疑問に思ったことはその場で質問して解決できるため、売却先のなかでも「着物買取専門店」を選ぶのをおすすめします。
帯の買取でよくある3つのお悩み
帯の買取についてよくある疑問点を3つに絞ってQ&A形式で回答していきます。
- どの作家/メーカーの帯かわからなくても大丈夫?
- 価値のつかない帯も引き取ってもらえる?
- 和装小物も一緒に買い取ってもらえる?
どの作家/メーカーの帯かわからなくても大丈夫?
どの作家/メーカーの帯かわからないとしても、買取業者に常駐している着物に詳しい査定員が見てくれるため問題なく買取してもらえます。
ただし、証紙や落款がないと本物だという証明ができないので買取金額は下がってしまう可能性はあります。
和装小物も一緒に買い取ってもらえる?
買取業者によっては、帯だけでなく和装小物も一緒に買取してもらえます。
買取された着物や帯は、また別の場所で販売されるため小物もセットになっていた方が査定評価は上がります。
買取業者によっては和装小物の中でも、例えば「腰ひも」が売れないなど売れる小物が限定されるところもあるため、各業者の公式サイトを確認してみましょう。
価値のつかない帯も引き取ってもらえる?
価値(値段)が付かない帯も無料で引き取りしてくれる買取業者もあります。
値段が付かない帯で引き取りしてもらえない場合、自分でゴミ処理しなければならず面倒です。
着物や帯の買取は「店頭・宅配・出張」と3つありますが、引き取り対応していないこともあります。
利用を検討している買取業者が「無料で引き取りしてくれるのか?」公式サイトで確認するようにしましょう。
まとめ
この記事では、帯の買取相場から買取対象となる帯の種類・高価買取してもらえる帯の特徴について解説してきました。
着物とセットで利用される帯にも着物と同様に「格式」があるため、買取市場でも同じように細かく相場設定がされています。
ただ、せっかく良い品を持っていても「売る場所」を間違うだけで買取価格が全然違ってきますので、買取に出す際は「着物買取専門店」に査定を出して買取してもらうことをおすすめします。