付け下げは高額で買取できる?買取相場、買取をする際の注意点などを紹介!

自宅にて付け下げを発見した場合、あるいは遺品整理や生前整理で長年着用していない大量の付け下げを発見した場合、その扱いに困る方もいるでしょう。

そんな方にすすめたいのが、着物・和装の買取に対応している専門店に買取に出す方法です。この方法であれば付け下げを処分できる上、現金も入手できます。

今回は、付け下げを買取に出した場合の相場、高く売るための秘訣などについて、詳しく解説していきます。

付け下げってどんな着物?

付け下げとは、いったいどのようなタイプの着物なのでしょうか。その歴史や特徴を説明しましょう。

付け下げ誕生の経緯

付け下げとは、着物の格のなかでも格下に位置付けられる、シンプルなデザインの着物です。太平洋戦争の最中、贅沢が御法度とされた世の中の風潮に合わせて、華やかな留袖や訪問着の代わりとして登場しました。

そのような時代背景の下で誕生したので、控えめで派手さのない仕上がりになっており、正礼装の留袖、準礼装の訪問着に次ぐ略礼装という格式になっています。

付け下げ、どんなシチュエーションで着る?

他の着物に比べると格下なので、完全なフォーマルな場にて着用する留袖などと違い、子どもの入学式や卒業式、友人たちとの集い、コンサートや展示会鑑賞などで着用するのが、付け下げの使用用途です。他の着物に比べると、肩の凝らないカジュアルな場所に着ていくのがふさわしいと言えるでしょう。

付け下げと他の着物の違い

付け下げの特徴は、反物の状態で染め上げをすることが多い点です。他の格式の高い着物は、着物の仮仕立ての段階で染め上げをして模様をほどこしますが、付け下げの場合は、仮仕立ての時点ですでに模様ができあがっている状態になります。

そのため、留袖や訪問着は縫い目をまたいであしらわれますが、付け下げの場合は縫い目で模様が切れます。縫い目の模様を見ることによって、付け下げかそれ以外の着物か、着物初心者でもわかる仕組みです。

付け下げの買取相場は?

付け下げを実際に買取に出した場合、どれくらいの査定金額になるのでしょうか。付け下げの買取金額の相場をみてみましょう。

付け下げの買取相場

ひと口に付け下げといっても、無名ブランド、安価な素材のものから、有名作家、伝統工芸品仕上げのものまで、付け下げの種類は多岐にわたります。そして、その種類や付け下げのコンディション(ほとんど新品同様のもの、劣化したものなど)によって査定額は変動する仕組みです。

着物の中古市場における、付け下げの買取査定額の相場は、以下の通りです。

・一般的な付け下げ:2,000〜6,000円

・有名作家、伝統工芸品の付け下げ:10,000〜70,000円

付け下げは留袖や訪問着より格下という位置付けなので、他の着物に比べた場合、相場が全体的に低い金額設定になっています。無名ブランド・安価な素材の付け下げの場合は査定額は平均数千円です。状態の悪いものであれば、数百円しかつかないこともあるでしょう。

しかし有名作家や伝統工芸品の作品であれば、多少汚れやシミが付いていても数万円の査定額になる傾向があります。

「付け下げは他の着物より格下だろうから、買取に出しても意味がない」と決めつけている人もいるかもしれません。しかし、有名作家の作品など高額買取の条件さえ満たしていれば、数万円もの大金を入手することが可能なのです。

付け下げを買取に出す際の注意点

もし所有している付け下げが有名作家・伝統工芸品だった場合、そのまま買取に出すのではなく証紙や落款(らっかん)も一緒に査定員に出しましょう。

証紙や落款は、伝統工芸品・有名作家の作品であることを証明する証明書のようなものです。この書類さえあれば、偽物ではないことが証明されます。

証紙や落款があるだけで査定に大きな影響を与えるので、手元にない場合でもしっかりと探して買取の際に提出するようにしましょう。

買取方法は店頭買取以外にもある

付け下げなどの着物は、リサイクルショップやネットオークションで売却することも可能ですが、最もおすすめなのが着物買取を専門とした買取店にお願いすることです。

着物に精通した従業員が対応してくれるなどのメリットがある専門店の利用ですが、他にもメリットがあります。それはお客の都合に合わせて買取方法を選べることです。

専門店は、店頭に着物持参で出向いて査定してもらう店頭買取以外に、どのような買取方法を用意しているのか、以下で紹介しましょう。

出張買取

出張買取は、買取店の査定員が依頼したお客の自宅や指定した場所を訪問して、その場で査定を行う買取方法です。査定時間もそれほどかからず、買取店によっては査定終了後にその場で現金受け取りが可能な場合もあります。

自分が出向くことなく自宅にいながら付け下げの買取が完了すること、その場で現金入手が可能なことなどがメリットです。また、買取店が自宅から遠く離れた場所であっても、自宅の住所が出張エリア内であれば、買取依頼が可能となっています。近場に買取店がなくても買取の依頼ができるのが、出張買取のメリットです。

しかし、自宅に人を呼ぶのが苦手な人、対面での交渉が苦手な方には向いていないかもしれません。そのような方の中には、査定額に納得いかなくてもキャンセルを言いづらく、結局買取を合意してしまったというパターンが多いです。

宅配買取

買取店に着物を配送して査定をしてもらう買取方法が、宅配買取です。

宅配買取の流れは、まず買取店に宅配希望の連絡をします。買取店から宅配買取専用の宅配キットを受け取り、そのキットで売りたい付け下げを梱包して買取店宛てに送ると、宅配は完了です。

あとは店頭に到着した付け下げを査定員が見て査定額を報告してくれるので、その金額に納得すれば買取成立です。買取金額は後日、指定した口座に振り込まれます。

「店頭に行く手間が省けて自分のペースで買取ができる」、「従業員と対面しなくてもいい」などが、宅配買取のメリットです。その反面、「店頭・出張買取に比べて現金化までに時間がかかる」、「梱包に手間がかかる」などのデメリットもあります。

着物買取店を利用する際の注意点

着物買取業者のなかには、悪徳業者も混じっています。このような業者が行うことは、相場以下の安い金額で買取をする、出張買取で押し買いをするなどです。悪徳業者に捕まって損をしないために、予防策を覚えておきましょう。

その手段とは、公式サイトのチェックです。商品の売買を商売として行うためには「古物商許可」を取らなくてはいけません。しっかりと許可を得ている買取店は、古物商の許可番号を公式サイトや店頭に提示しています。この番号を提示していない買取店は、許可を取らずに営業している違法のお店ということになるのです。少しでも怪しいと思った買取店があった場合、古物商の許可番号があるか確認しましょう。

そして、連絡をした際に、しっかりと丁寧な対応をしてくれるか、手数料や着物に関する疑問にしっかりと返答してくれるかも確認しておきましょう。対応が雑だった場合、返答が曖昧な場合は怪しいと見ていいかもしれません。

まとめ

付け下げは、留袖や訪問着に比べると格式が低いという位置付けなので、それほど価値がないのではと思っている方もいるでしょう。実際に、留袖や訪問着より買取価格が上回ることはほとんどありません。

しかし、それはあくまで格式の高い留袖や訪問着と比較した場合です。付け下げは、伝統工芸品・有名作家のもの、状態の良いものであれば、留袖や訪問着以上の高額買取になる可能性もあります。

着物買取店では査定を無料で行ってくれるところがほとんどです。付け下げを処分しようと考えている方は一度、着物買取の専門店に依頼をしてみてはいかがでしょうか。

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